ITコンサルのデメリット?40歳が限界!?雇用の不安定性について3つ観点から解説

ITコンサルのデメリット?40歳が限界!?雇用の不安定性について3つ観点から解説

一般的にはITコンサルは高給で、IT化がますます進んでいく現代社会において今後の需要も高いと言われています。
しかし、ITコンサルに入ることで将来が安泰という訳ではありません。

ITコンサルタントになるほとんどの人は40歳で限界を迎えます。
また、未経験で入ったとしても教育制度や立場の弱さなどから様々なデメリットから思ったようなキャリアパスが描けないことが多々あります。

そこで今回はITコンサルタントになることの不安定性について解説していきます。
あまり語られることのないITコンサルのネガティブな面について紹介します。

雇用形態


ITコンサルタントとして働くことになると、SEとは違い基本的に客先常駐のため、自社での受託開発や内勤と比べると雇用は不安定になります。

不安定といっても給料が払われなくなったり、減らされたりするという意味ではなく、勤務地が定まらないことや、将来の仕事が確約されていないということです。
3つの観点からそれぞれ解説していきます。

不況時の弱さ

ITコンサルタントはシステム開発を行うSEと比べると不況に弱いです。

クライアント企業がプロジェクト内で人手が足りなくなると単価の安いグループ企業や下請け企業からSEを雇います。ITコンサルタントは単価が下請けSEの2倍も3倍もするので雇うのは順番的に最後です。
逆に考えると、ITコンサルタントの優先度は最も低いということです。

クライアント企業が不況で売上が下がっていて新規案件の獲得もうまくいっていないような状況だったとして、まずは自社社員を守ります。
となると不況時には、ITコンサルタントの優先度は低いので最初に切られてしまう対象になります。
下請けSEは一人あたり50万~100万/月もあればベテランクラスまで見つかりますが、ITコンサルタントはその肩書だけで一人あたり150~300万/月が相場ですからね。倍以上のコストです。クライアントのプロパー社員の単価よりも高いなんてことはザラにあります。

不況時には、自社社員ですら仕事がなくなってきているのに、わざわざ高い単価を払って人を囲う必要はありません。
もし、不況から脱却のため経営拡大を狙うようならばITコンサルタントではなく、れっきとした戦略コンサルタントを外部から雇って経営戦略を練ってもらえばいいのですから。コンサルティングも中途半端、システム開発スキルも中途半端な高級文房具は不況時にわざわざ使いません。(ITコンサルタントがコンサルタントではないということは前回の記事を参照してください。)

事実、リーマンショック後やコロナ流行後などの大きな不況時には、IT系コンサルティングファームは軒並み稼働率が大きく下がりました。対して、SIerは不況時でも構築中の案件は無くなりませんし、既存案件の運用保守は継続されます。そこまで不況には左右されません。新規案件が獲得しにくくなるくらいです。

高稼働を売りにしているIT系コンサルティングファームであれば常に稼働率90%を維持しているような企業であっても、不況時には稼働率が70~80%まで下がってしまいました。

ITコンサルティングの単価は150~250万円くらいがボリューム層です。コンサルタント在籍数1000人の会社の稼働率が10%下がるだけでも、月当たり約2億の売上ダウンです。

人月商売をしているIT系コンサルティングファームは人が多ければ多いほど儲かる仕組みになっていますが、その分不況時には大きなあおりを受けてしまいます。

立場の弱さ

客先常駐を基本とするITコンサルタントは客先のクライアントが自分より立場の高いお客様です。常に自分より立場の高い人とプロジェクトを共にします。そして、自分の働きが本当に単価に見合っているのかを常にお客様から見られながら働くことになります。

自社社員だったら使えないSEなんていくらでもいますが、それでもどうにかして何か仕事を振ってあげて会社で囲ってあげています。日本の法律上そう簡単にクビや給料ダウンなんてできません。

一方、ITコンサルタントはクライアントから気に入られなければすぐに切られてしまいます。解雇というわけではないので、次の期間の契約を更新しないか、何かしらの理由をつけて契約期間いっぱい待たずして撤退や入れ替えを要求することはよくあります。

自社からの評価ではありませんが、そんな理由でプロジェクトを外されてしまっては自社内にもその悪い評価は回ってしまい、次のプロジェクトも見つかりにくくなります。そして、悪い評価が何件か続けて起きてしまうと、クビというわけではありませんが、自社内から次の案件を紹介されなくなってしまいます。

毎回クライアント先で失敗するような人を送ってると会社の評判が下がってしまうので、自主退職を促したり、社内の異動を促されたりします。

コンサルティングファームは、昔からの日系企業のように終身雇用が約束されているわけではありません。この業界自体がそもそもキャリアを積んで、給料や経験を積み上げることを目的に入ってくる人たちが多いです。

そのような人たちは、あまりに悪い評価が下されてしまったら会社から退職を促される前に、自分からいなくなる人が多いです。

厳しい環境ではあるものの、悪い評価が出回りやすいのと同様に良い評価も出回りやすいので、その分成果が給料に反映されやすいというメリットもあります。
客先で立場が弱いのは確かですが、その分クライアント主導でプロジェクトが動くので、楽をできる部分も多いのも事実です。

もう一つ立場の弱さからくる悪い点を挙げるとすると、クライアントからすると他の協力企業の社員と同等に扱われることでしょう。クライアントからしてみたらコンサルティングファームだろうが、自分たちより給料や単価が高かろうがそんなことは知りませんし、仕事や立場とは関係ありません。

だからシステム開発の支援として客先常駐をしていると、単価200万で入っていても、クライアント先に先に常駐していたクライアントの下請け企業社員(単価80万)と同等もしくはそれ以下の扱いを受けることもあります。

クライアント先の社員はほとんど関わってこないで、下請けSEの人にITコンサルタントへの指示を任せられたり、同じチームとして傘下に入ることになったり、下請け社員に配られる10年前の型落ちの激重PCを配られたり、出入りできる部屋が限られていたり、イントラネットやメールのルールがプロパーとは違って面倒だったり、なんてことはよくあることです。プロパーからしてみれば自社社員以外は全て外部の協力社員扱いです。

そこでプロパーと関われないからいいやと思って、ただ単に与えられた業務をこなしているだけだと末端SEと変わりません。丸投げ放置な現場であっても、プロパー社員に好印象を与えられるように動くところからITコンサルタントの仕事が始まっているとも言えます。

SEとして扱われているのに、他のSEと変わらない業務をしていると単価の割りに合わないとすぐに切られてしまうというジレンマです・・・
一人でも自主的に仕事を見つけて動けるような人でなければITコンサルタントは厳しい世界といえるでしょう。

教育制度の弱さ

コンサルティングファームというものは会社に就職するというよりかは、案件に就職するという働き方をします。
そのため先輩後輩のような輪はその案件限りです。案件が変わるたびに人間関係がリセットされます。それは新人や転職したての人であっても同様です。

通常の企業のようにメンター制度を設けているコンサルティングファームはほとんどありません。それどころか中途入社の人はOJTすら無くコンサル経験が無くとも、いきなり1人、2人程度で案件に突っ込まれることも多々あります。

新卒に限ってみれば、入社して数ヶ月はコンサルティング研修、リサーチ研修、IT研修など一通りの最低限レベルの知識を叩き込まれます。新卒数十人~数百人を各案件にOJTとして傘下させることになりますが、抱えている案件にも特性や難易度が存在します。

その難易度に合わせて新卒を割り振るためにはどうするかというと、新卒全員を順位付けします。そうして新卒のプロフィールと研修での成績含めた順位、評価内容が社内の上位層に共有されて、各案件からどの新卒を引き入れるか面談が組まれます。企業によっては各案件から面談をせずに、適正ごとに勝手に割り振ることもあるでしょう。

そんなやり方で新卒を案件に割り振ると何が起こるかというと、当然新卒内で大きな差が生まれます。
成績上位の新卒は難易度の高く単価も高く体制が整っていて成長しやすい環境に早期にアサインが確定します。成績下位の新卒はいつまで経っても案件が確定せずいきなりアベってしまいます。

それでもいつまでもアベらせるわけにはいかないので、どこかの案件で引き取ってもらいますが、そんな案件は炎上案件だったり、低単価のSE案件だったり、成長機会の少ない案件に組み込まれてしまいます。そんな人はマイナス評価からのスタートで条件の悪い案件にアサインされてしまうので、うまくアピールする機会も無く、成績上位層の同期とはどんどん差が開いてしまいます。

自社案件を持たずに客先常駐をするというIT系コンサルティングファームの特性上このような競争は避けられません。いくら新卒とはいえクライアントの目に見えてしまうので、できるだけ好印象を与えられる新卒を入れたいと願うのは当然の話です。

新卒はほとんどの場合単価0円でOJTとしてプロジェクトにアサインされます。クライアントは他の会社の新卒社員の面倒は見たくないけど、0円で雑用や面倒事を手伝ってくれて、教育は自社内で完結してくれるということなら快く受け入れてくれます。

ITコンサルティングファーム側は、0円で入れるもののどうにかして新卒の価値をアピールし続けて切りの良い時期を見計らい、新卒の有料化を交渉します。そうして枠の拡張を狙うという魂胆です。

今までも何度か言っていますが、ITコンサルタントとは人月商売です。人売りです。つまり、ITコンサルタント=商品です。新卒で無価値だった商品をいずれ有料の商品にするためにOJTとして無料でクライアント先に常駐させています。

しかし、この有料化させしてしまったらOJT期間は終了です。メンター制度のような優しい制度はありませんので、あとはITコンサルタント個人の能力次第です。
どんなにアサインされた案件でお世話になろうが、次の案件では全くの無縁の人になります。

ITコンサルタントはほとんどが客先常駐しているので、自社内に教育制度や研修制度が整っている企業は珍しく個人任せになります。客先常駐して客先に合わせて成長することしかできません。

だからITコンサルタントは経験したことしかスキル領域は増えることはないので、いつも似たりよったりの案件に入ることしかできません。

フリーランスの働き方に似ていますね。高額なお金をクライアントからもらうためには、ある程度以上のスキルが必要です。そのためには似通った業務経験が必要なので、いつもアサインさせる案件が似てくるというわけです。

新卒でIT系コンサルティングファームに入社するとPMOや火消し要員のような便利屋さんとして働き経験を積むことが多いですが、案件内容はシステム開発系ばかりです。そんなことが続くとシステム開発経験は無く専門知識は無いけど、PMOという名のただの窓口対応業務しかできない人となりどこかで限界が来てしまいます。

教育制度やキャリアパスをしっかりと考えてくれないような会社であれば、新卒で入社するよりかは、システム開発経験を積んだ上で中途入社して、コンサルティング経験を積める人のほうが成功するでしょう。

40歳限界説


SEは昔35歳限界説と言われていました。現在、実際のところは35歳で限界なんてことはありません。それどころか日本特有のガラパゴス化を続けてきたSIerでは、年功序列や終身雇用が根強く、SEは35歳で限界どころか中堅です。

どんなに仕事ができなかろうが5,60代の社員を抱え続けており、その仕事ができない人たち分の仕事は35歳前後の優秀な社員をリーダーとして若手のメンバーが肩代わりします。SIerの社員の平均年齢が40代の会社なんてどこにいってもそんなもんです。

それではコンサルティングファームはどうでしょうか。コンサルティングファームは社員の平均年齢が30代前半のところが多いです。

それは主に3つの理由からきます。
・客先常駐のため、ある程度の年齢から受け入れ先が少なくなってくる
・仕事のできない人や、体力のなくなってきた人はついていけなくなる
・終身雇用や安定した仕事が約束される職種ではないので、自主的に安定した職種に転職してしまう

上記3つの理由に共通して言えることは35歳が堺目、40歳がITコンサルタントの限界ということです。

客先常駐をするITコンサルタントは、クライアント先からおおっぴらに年齢制限をするようなことはあまりありません(たまにあります)。

しかし、クライアント先のプロジェクトでもリーダーとなるのは30代~40代の優秀な社員がPMとして活躍します。50,60代の社員がPMとされていることも多いですが、その場合は形だけで機能しておらず別の人が肩代わりしていることがほとんどです。

1970年代のIT黎明期から1980年代以降のデジタルネイティブ世代として育ってきた今の3,40代までと50,60代の間とでは圧倒的なITスキルの差が存在しています。50,60代でPMとして置かれていてもアドバイザリー役や窓口担当となる程度で本当のPMとはなれていない場合が多いです。
そのため、クライアント先のプロジェクトを仕切るのは実質のPMである3,40代の社員です。

クライアントからすれば、ITコンサルタントが年上で外部の社員ともなると、キツく当たることもできなく、指示出しをすることも難しいためどうしても躊躇してしまいがちです。そうともなれば比較的ハズレを引くリスクも少なく、柔軟に対応してくれて経験もそこそこありそうな20代後半~30代の外部社員をアサインさせようということになります。

実際のIT系コンサルティングファームで、40,50代で客先常駐しているITコンサルタントをほぼ見かけたことがありません。
年功序列が無く昇進スピードの早いコンサルティングファームでは、早くて30歳遅くとも30代後半にはマネージャー職になります。

優秀なマネージャーであれば大人数を率いてリーダーとして客先常駐をしたり、客先のプロパー社員の代わりにPMをしたりします。客先常駐を行わないマネージャーであれば、複数案件を掛け持ち統括役として様々な案件にて提案活動やアドバイザリー業務を行います。

しかし、そんなことができる人はマネージャーの中でも認められた一部の人たちだけです。スキルが技術者寄りすぎてマネージメント業務が苦手な人や、社歴が長く成績も悪くなく(良いわけでもなく)年齢も上がりきってしまったためにマネージャー職になるような人も一定数いるため、そのような人たちは紹介される案件が次第に少なくなっていきます。

SIerのように自社の案件を抱えていないコンサルティングファームでは、年齢が上がりきった上に客先常駐できないようなスキルの高額社員の使い道がなくなっていくのです。
そうなると企業の対応は残酷です。もう社内で紹介できる案件は無くなってきたから転職を促してきます。

社内に居続けてもアベる期間が長くなってしまい、本人のためにもならないですし、会社としても案件に入れなくなった社員はどうしようもありません。会社として案件は紹介しますが、案件に入れなくなってしまった人に何か仕事を与えるのにも限度があります。

そもそも、ITコンサルタント自体が体力の必要な仕事です。
システム開発ではネットワークを止めるために深夜作業や休日作業は避けられず、客先常駐で常に客先プロパー社員のプレッシャーにさらされ、お客様からの依頼には必ず対応が基本です。残業も多い案件ばかりです。

ITコンサルタントに求められるハードさから自ずと40歳前後で限界になることと、客先から求められる許容年齢が40歳前後ということから、ITコンサルタントとして客先常駐をしていく限界は40歳前後ということになります。

自社勤務の統括役としてやっていく場合は別ですが、ほとんどのITコンサルタントは年齢限界が来る前に事業会社に転職してしまうのが現実です。

まとめ

ITコンサルタントは、
・高単価過ぎるため、不況時に切られやすい
・客先常駐で協力社員扱いなので、立場が弱い
・案件に就職する働き方なので、教育制度が弱く個人の努力に任せられる部分が多い
・客先常駐の都合と体力から、40歳前後で限界を迎える(一部成功者を除く)

ということになります。

ただ、ITコンサルタントになることですぐに高給取りになれることや、うまく調整すれば自分の望む案件に入ることで望み通りのキャリアパスを描きやすいことなど大きなメリットも存在します。
それはまた別の記事で紹介しようと思います。

 

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