キャンプ場経営は難しくて失敗する?本当に儲かるのかシミュレーションしてみた【年収700万!?】

キャンプ場経営は難しくて失敗する?本当に儲かるのかシミュレーションしてみた【年収700万!?】

キャンプが好きな人はいつか自分もキャンプやアウトドア関連の仕事に関わりたいと夢見ている人もいるのではないでしょうか。私もそうです。
都市を重ねるごとに都会の喧騒や競争社会に嫌気が差してきて、いつかはキャンプ場を経営してみたいと心の奥底で夢見ています。

ですが、キャンプ場を経営するとしてもある程度のお金を稼がなければ生活することができません。
ということで、キャンプ場の経営は実際には年間どれくらい儲かるのかをデータを元にシミュレーションしてみました。

どれくらい儲かるのかがわかれば脱サラしてキャンプ場経営をしてもいいのかの指標になることでしょう。

キャンプ場経営の将来性

キャンプ人口の推移

まずは市場としてどれだけ将来客が見込めるかを考える必要があります。どんなに楽しかろうが衰退している業界では稼げるわけがありません。

(引用:オートキャンプ白書)
国内において2019年度にはキャンプを1回以上したことがある人の数は860万人となり、ここ10年間の間は微増し続け140万人増えています。
グラフ外ですが2003年頃に810万人となり、その後は僅かな増減を繰り返し最近のキャンプブームでキャンプをする人が増えてきています。

ちなみに、日本の人口はこのように2010年ころから、ここ10年間の間は微減し続けています。

(引用:総務省統計局)
1億2800万人から1億2600万人に減っていますので、人口の増減によるキャンプ利用者の増減は関連していないと考えられます。(年齢とかではなくあくまで人口数です。)

キャンプ利用者の利用者は
20代:1割未満
30代:3割
40代:4割
50代:1割
60代以降:1割未満
であり、3,40代の利用がメインです。
(参考:オートキャンプ白書)

データを見る限りでは爆発的な人気が出たわけではありませんが、今後もある程度の客は見込めると考えられます。
では、なぜキャンプがブームしてきたのかを追求していきます。

キャンプブームの要因

ここ数年の間はソロキャンパーや女性、外国人などのキャンプ業界とは遠い存在だった人たちのキャンプ参加が増えてきています。
その原因は主に5つだと考えられます。

・コロナによる都会以外でのアウドドアの流行
新型コロナウィルスの流行により外出自粛の世の中になり他人との物理的な距離を取らなくてはいけない世の中になりました。それに伴い、都会から気軽に行けるキャンプ場はオンシーズンは満員御礼状態になっていたそうです。
癒やしや人混みを避けてキャンプ場に来たのに、キャンプ場は人混みになっているという矛盾を抱えていますが、キャンプ人口が増えアウトドアに興味を持つことが増えることはいいことですね。

・グランピングの流行
グランピングとは一言で言うと、何も道具を持たずに自然の中で快適にテント泊をして、美味しいごはんが食べられる手軽なレンタルキャンプです。
最近なにかと注目されているグランピングにより、若い世代や女性などのキャンプとは縁のなかった人たちを取り込む結果になりました。グランピングをした人が通常のキャンプに興味を持ち、グランピングではなく、自分でテントや寝袋を購入してキャンプデビューするような人も増えてきています。

・ゆるキャン△の流行
2018年からアニメ化もされたキャンプ漫画の流行により、若い世代やソロキャンパーが増加しています。ここ数年は10代,20代の初めてキャンプをする人が増加しています。実際に私の周りでもキャンプデビューやキャンプを趣味として行う人は、みんなゆるキャンを知っており、実際にゆるキャンがきっかけでキャンプを始めた人と何人も出会ったことがあります。

・SNSやYouTubeの流行
テレビよりもSNSやYouTubeが流行することで、気軽に情報が手に入る時代になりました。芸人のヒロシも今やYouTubeの登録者100万人を抱えソロキャンプの動画をよく上げています。SNSでもキャンプのきれいな風景やご飯を上げることでキャンプを身近に感じられるようになり、どんな道具を揃えてどんなことができるのかも簡単にわかるようになったので、初心者でも簡単に始められるようになったのも要因でしょう。

・遊休地の活用サービスの活性化
主に田舎の遊休地を有効に活用させるために貸し出すサービスが近年生まれています。使われていない農地を転用させて有効活用させる動きもあり、人のいなくなった地方を活性化させるためのサービスがビジネスとして利用されるようになり、キャンプ場として最近オープンするところも増えてきています。

キャンプ市場の将来性

将来性は10~20年規模だと微増もしくは停滞レベルでしょう。20年以上先となると先細りとなり徐々に衰えていくでしょう。

最近ではキャンプブームもあり、キャンプ関連グッズや数千万円クラスの高級キャンピングカーの輸入も増えています。
しかし、日本は超高齢社会であり、人口の急激な減少が目に見えています。

キャンプのメイン層は30,40代の男性が中心です。ソロキャンパーか友達や家族でキャンプを行う人たちが多く、人口も40代が最も多いです。
一方30年後の2050年の日本で最も多い世代は7,80代です。明らかにキャンプのメイン層である3,40代の人口が減ってしまいます。

これはキャンプ業界に限った話ではありませんが、高齢化と人口減少から来る売上の減少は避けられません。70代以降でキャンプ場を利用する人はわずか0.7%しかいないので、今のキャンプ場の売上も30年後に落ちることは確実ですね。

キャンプ場の多要素化

キャンプ場の売上を伸ばすために、グランピングの流行から見えるように通常のキャンプとは違った魅力を用意することで新規顧客獲得に結びつけることが有効でしょう。例えばキャンプ場と地方独特のアクティビティや温泉、農園地などのアウドドア関連の体験につなげること、地産地消という考えのように地方に根ざしたグルメと結びつけることで、ただ単に宿泊する人以外も呼び込むことで、新規顧客の獲得ができるでしょう。

ただ単に普通のキャンプ場としては衰退の一途をたどってしまいます。キャンプとなにかもう一つ二つの要素と結びつけることで、顧客を呼び寄せられるかが鍵となります。

年間いくら儲けられるのか


さて、個人的にも一番気になっていたキャンプ場は実際どれだけ儲けられるのかをシミュレーションしてみました。
※オートキャンプ白書を参考にした個人での算出なので参考までにとどめてください。ここでの計算結果は個人的な興味本位なので何の責任も負いません。

平均計算案

全てを簡略化するためにオートキャンプ場の平均から計算して年間の売上を計算します。

【計算方法、条件仮定】
・キャンプ場は常に100%の人がいるわけではないので、全国のオートキャンプ場の稼働率を元に5%刻みで稼働率を当てはめる。
・1グループの平均人数が4,7人であることと、4人家族が車とテントで1泊した場合の平均料金が5000円であることから、1サイトあたり4人5000円での利用とする。(関東のオートキャンプ利用料金平均は約5500円なので若干低めに見積もる)
・区画サイトとして区画数が20とする。(広さとしては約2000㎡。40m×50mくらいのキャンプ場としては小さめの敷地を想定。)

そして1年間のキャンプ場売上シミュレーション結果がこちら。(横長になりすぎてしまいましたが、クリックすれば拡大できます。)

1年間の売上は約700万という結果になりました。
どうでしょう?思ったより稼げると思いましたか?私としては思ったよりも少ないと思いました。だって経営者になるので売上700万ですし、経費を計算していません。人件費や土地代、建物代、メンテナンス費などなど経営するには700万ではとても稼いでいるとは言えないでしょう。

ということで、経費を計算してみます。
【計算方法、条件仮定】
・経費として計上するのは、「固定資産税」、「光熱費」、「メンテナンス費」、「人件費」とする。
・固定資産税は土地、家屋とする。減価償却資産は計上しない(事業用の車とかの物品を数年に分割して経費として計上することで節税できる仕組みです。計算を簡単にするためにここでは計算しません。このような計算は今後も省きます。)
・土地の金額を3000万とする。固定資産税の土地については「評価金額×一般住宅用地減額(3分の1)×標準税率1.4%」として計算。(本当は200㎡まで6分の1で、それを超える分が3分の1という計算ですが、ここでは計算しません。)
・家屋の金額を2000万とする。固定資産税の家屋については「評価金額×標準税率1.4%」として計算。(本当は戸建ての場合で3年間、マンションの場合は5年間、2分の1に減額という計算ですが、ここでは計算しません。)
・光熱費は売上金額の5%とする。
・メンテナンス費は売上金額の5%とする。
・夫婦2人で経営するとして、基本的には2人が常駐で管理し、忙しい時期にアルバイトを追加するものとする。
・アルバイトの人件費は1日1万として、稼働率が30%以上が見込める月に追加募集をするものとする。

そしてこの平均計算案での1年間のキャンプ場の経費、利益シミュレーション結果がこちら。クリックすれば拡大できます。

1年間の経費は約350万という結果になりました。ということは上の売上結果とまとめると、1年間の利益は約350万です。少ないですね! 

グラフにすることこんな感じです。クリックすれば拡大できます。

夏と秋をピークとして、次にゴールデンウィークのある5月が売上が高いです。11月-3月はほぼ利益がありません。1万9千円ぽっちではアルバイトにでもでかけたほうがマシですね。

売上が700万でもそこから税金が引かれ、経費も引かれとなると手元に残る金額は300万も残らないでしょう。初期費用も別にかかります。
なんて夢の無い世界なんだ・・・と思うかもしれません。

ちなみに、この計算方法を使用して
・区画数を20→30にすると、利益は年間約385万
・単価を5000→10000にすると、利益は年間約420万
・区画数を20→30、単価を5000→10000にすると、利益は年間約490万
となりました。悪くないですが、もう少し売上を変えて計算変えたほうが利益が出そうですね。

これはただ単に平均を使って計算したに過ぎません。
土地や家屋はレンタルできる場合もありますし、固定資産税がもっとかからない可能性もありますし、2人だけで経営できる仕組みも作れるかもしれません。
売上を上げるためには他のキャンプ場とは異なる魅力を作ることで差別化を図る必要があります。
このままの少ない利益では自分の貯金もできないので、改善していかなかければやっていけるはずもありませんね。
次に、売上を上げるためにもう少し深堀りしてシミュレーションを行ってみます。

複数プラン案

全てを平均にしてしまったからこのような結果になってしまいました。
そこで、今回は売上を上げるための要因を二つにしぼります。

売上を上げる二つの要因とは「冬季も客数を確保すること」と、「客の単価を上げること」です。
そもそもキャンプ場は冬季は閉業しているところも多く、5月~10月、4月~11月のような温かい時期しか営業していないキャンプ場が多いです。

この二つの要因を達成するためには「複数プランを用意することで複数の層の客のニーズを満たすこと」と、「オプション料金での追加料金を払わせること」を戦略とします。

ただ単に、オートキャンプができる区画サイトが20個あるという単純プランから、↓のように変更してシミュレーションを行います。
【計算方法、条件仮定】
・バンガローを3つ用意して冬季にも対応できるようにする
・初心者にも対応できるように道具を全てレンタルの完全手ぶらプランを用意する
・料金を車、人数、ペットなどにより細分化する
・BBQ場を追加料金でレンタル可能とする(料理の提供は特別な申請が必要になるため、場所のみの提供とする)
・大浴場を作ることでお金を使わせることと、魅力の一つにもする
・薪を追加料金で購入可能とする
・簡単な飲食料の販売も行うが今回は計算から除外とする

まとめるとこうなります。料金設定は平均と経験からなんとなく設定しました!クリックで拡大できます。

平均計算案では1組あたりの単価が5000円でしたが、今回は3人家族だとすると1組9100円、4人バンガローだと16300円、4人手ぶらプランだと20000円、1人バイクだと3500円となりました。
バンガローや手ぶらプランではなく、グランピングとしても同じ料金設定でも同じになります。

そうして、この4組を代表客として1月~12月それぞれの稼働率に当てはめて何組来るかを仮定して年間売上をシミュレーションします。
稼働率についてはオートキャンプ場の稼働率平均ではなく、キャンピングカー泊の全国平均を5%刻みで少し低めに当てはめます。
冬季はバンガローやソロキャンプが多く、夏季は家族でのテント泊が多くなるように推測で割り当てます。

この複数プラン案での売上計算シミュレーション結果がこちら。

なんと!年間売上が2168万円にもなりました!平均計算案との差は年間1467万です!
それでもまだ安心できません。建物を増やしてしまったので、経費が高くなるはずです。

経費を含めて計算してみます。平均計算案と変えた計算場所は↓の通りです。
【計算方法、条件仮定】
・家屋の金額を2000万→3000万とする。その分固定資産税が上がる。
・光熱費は売上金額の5%→10%とする。
・メンテナンス費は売上金額の5%→10%とする。

そしてこの複数プラン案での1年間のキャンプ場の経費、利益シミュレーション結果がこちら。クリックすれば拡大できます。

複数プラン案での1年間の経費は約780万という結果になりました。ということは上の売上結果とまとめると、1年間の利益は約1388万となりました!おお!これは夢がありますね!

しかし、こんなに利益が簡単に出るとも思わないので、少しずつ低めに見積もり直してみます・・・

・稼働率を-5%ずつしてできるだけ単価の高い客を減らすと、利益は年間約1120万
・光熱費、メンテナンス費をトラブルを見越して10%→15%とすると、利益は年間約1171万
・稼働率を-5%、光熱費、メンテナンス費10%→15%のどちらもとすると、利益は年間約937万
・アルバイトを5月~10月は毎日2人~4人いる想定にすると、利益は年間約1191万
・上記全ての悪い条件を盛り込むと、利益は年間約741万

これだけ悪い条件を見込んでも利益が年間741万ともなれば意外と悪くないですね。売上ではなく、利益が741万ですからね。
ただ注意点としては、初期費用も見込んでないですし、薪のような大量に仕入れて売る(いわゆる転売)の物品については単純な売上=利益とはなりませんし、バンガローや手ぶらプランのような高価なプランがここまで稼働されるというのも仮定に過ぎません。代表客を月ごとに当てはめていますが、実際は単価の安いソロキャンパーばかりかもしれません。

実際のキャンプ場経営には、初期費用の回収や、顧客の呼び込み戦略、新規顧客獲得戦略などシミュレーションでは含めていないことを想定しなければ易易とはこのシミュレーション結果のような利益は出せないでしょう。その話についてはまた別の記事にする予定です。

まとめ


キャンプ場の平均(稼働率、単価)計算案と、複数プラン案での年間売上をまとめるとこうなりました。クリックで拡大できます。

平均計算案では年間の売上が約701万円。複数プラン案では年間の売上が約2168万円となりました。
単純に普通の区画サイト大量に用意するよりも、複数プランにより数種類の区画とプランを用意することで約3倍になりました。

また、キャンプ場の平均計算案と、複数プラン案での年間利益(売上-費用)をまとめるとこうなりました。クリックで拡大できます。

平均計算案では年間の利益が約364万円。複数プラン案では年間の利益が約1388万円となりました。(厳しく見積もると年間の利益は741万)
手ぶらプランやバンガローによる1組あたりの売上増加と、手間をかけずにオールシーズン稼働率を確保することで、複数プランの方が約4倍になりました。

5月の利益が高いのは、GWの売上増加と平日にアルバイトを入れない想定だからです。

以上のことから、キャンプ場を経営するには

・単純なテント泊場のみであれば、レギュラーシーズンのみの経営が合理的
・ある程度の利益を上げるためには、単価と稼働率を上げるための仕組みが必要
・(シミュレーション上)キャンプ場経営の年収は約300~1400万円

ということが言えますね!

経営する場合は売上は年商であり年収ではないので、年収とするには利益の方ですね。
複数プランを用意して顧客を安定して呼び込めるようになったとして、厳しく見積もって年収は約700万程度でしょう。

ちなみに年収700万以上の人は日本全体で見ると14.09%(2018年)だそうです。それでも会社員であれば自分で経営するよりもリスクは抑えられて、年収額もある程度安定はするはずなので、キャンプ場を経営して年収700万がそこまで魅力的には思えないですね・・・

金銭的にはそうですが、うまくキャンプ場の経営ができれば700万にはとどまりませんし、都会の喧騒を忘れて自分の好きなことで生きていくこともできます。このシミュレーション結果を総合的に見てどれほど魅力的なのかは個人の感覚によりますが、私個人としてはやり方次第では悪くないと思いました。

今までこのブログで書いていた「キャンプ場経営で考える〇〇」シリーズを改めて体系化し、Kindleとして出版しました。
ブログ内の内容と基本は同じですが、経営戦略の考え方としてちゃんとした流れで記載しているので理解しやすいかと思います。

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