日商簿記3級に落ちた!?ネット試験は難しい?初心者が独学だけで落ちて再受験で合格した話。

日商簿記3級に落ちた!?ネット試験は難しい?初心者が独学だけで落ちて再受験で合格した話。

先日、日商簿記3級のネット試験受けてきました。
仕事で使う予定ではありませんが、将来的にあったほうがどこかで役に立つかなと思い、受けてきた次第です。
1度ネット試験に落ちて、再受験でようやく合格することができました。

そこで今回は、独学で日商簿記3級に落ちたとき・受かったときの勉強時間、勉強方法を中心に紹介していきます。

この記事を読むことで次のことが理解できます。

・日商簿記3級の不合格時の勉強時間、勉強方法
・日商簿記3級の合格時の勉強時間、勉強方法
・ネット試験を受けてみた感想

日商簿記3級とは


商業簿記の基礎であり、特に小規模企業の資金の流れ、財政状況、取引、決算などの会計や経理関連の適切な処理のために求められるレベルです。

3級は特に、受験資格も必要なく誰でも受けることができます。
試験内容は100点満点中70点以上で合格となります。試験問題の構成はいつも同じで、
・第1問 仕訳問題 15題 45点満点
・第2問 帳簿、伝票、訂正仕訳、勘定記入、決算仕訳 等 20点満点
・第3問 精算表、貸借対照表、損益計算書 の作成 等  35点満点

となっています。

試験方法としては2種類あります。
ペーパー試験:決められた日程、決められた会場、集団で、紙を使って試験を行う形式。受験料2850円。
ネット試験:自分で好きなテストセンター、好きな時間帯を予約して、区切られたスペースで一人で、PC上で試験を行う形式。受験料3400円。

私はこのネット試験の方を受験してきました!

問題の難易度にばらつきがおおいのか、直近5回の合格率はこんな感じです。

2021.11.21:27.1%
2021.6.13:28.9%
2021.2.28:67.2%
2020.11.15:47.4%
2020.2.23:49.1%

平均すると40%台くらいですが、決して簡単な試験とは言いにくいですね。落ちている人の方が多い試験なんですから。
会計や経理向けの初心者試験と言われてはいますが、合格率30%を切る回も何度か出ているので簡単だと思って臨むと痛い目を見ます。

受験した理由

いくつかありますが、どれも個人的な理由です。会社で強制されたわけでもないです。
受験した理由としては、
・いずれ個人事業主をやることを考えているので、その時の青色申告(確定申告の一つ)のときに約に立ちそう。
・キャンプに関連した新規事業を本格的に考え始めているので、少しでも資金調達や会計のことを備えておきたかった。
・コンサルティングの仕事でお客さんの財政状況や戦略には触れるのに、会計に関する知識がないことに危機感を覚えたから。

簿記3級を取ることのメリットは他にもたくさん言われていますが、そのメリットのために取るという意識はあまりありませんでした。
会社の数字がよく見えるだとか、履歴書に書けるだとか、経理の仕事ができるとかそんなことは意識していません。一言で言ってしまうと将来自分がやりたいことに役に立つことがなんとなくわかったからです。

まぁ3級だし、1ヶ月くらいで簡単に取れるだろうと考えて受験を決意しました。
理系出身なこともあり、周りに簿記を持っている人が全然いないこともあって、どんな試験なのかもわからないところからのスタートでした。

用意した電卓

簿記3級のために用意したものはこの「カシオ MH-10T」の電卓です。

当初自宅にあった電卓だと小さすぎて、打ち間違いがかなり発生してしまったので、スーパーでたまたま見つけたこちらの電卓を購入しました。
後で口コミを見たら結構評判のいいやつだったみたいですね。
この電卓はソーラー電池とボタン電池を併用しているので、1日1時間の使用で3年間電池が持つそうです。
替えのボタン電池は「LR54」もしくは「LR1130」なので、念の為購入しましたが使いませんでした。

参考までに、私が電卓を選んだ基準としては、
・カシオかシャープであること。100均のだとボタンの反応が悪いみたいです。
・10桁以上の表示ができること。
・ソーラー電池がついていること。
・「00」ボタンがついていないこと。「0」だけで十分というか、打ち間違いが出そうなので。
・片手くらいの大きさであること。

簿記3級を受験した方の中では、「00」ボタンがついている方が時間の節約になっていいと言っている人もいるようですが、私は打ち間違いを心配してむしろ「00」ボタンがないものを探しました。

簿記3級って本当に時間がないんですよ。最近受験時間が減らされたのに問題数がそんなに減っていないという状況もありますし、貸借対照表の問題とかだと同じ問題内で「5,000円」「5,000,0円」「5,000,000円」とかの間違い探しレベルの内容が何度も出てきます。
その時私の頭の中では「5(ボタンカチッ)のあとに0を三回(ボタンカチッカチッカチッ)」みたい解いているので、そこで「00」ボタンが出てくるともう1段階頭の中で変換しなくちゃいけないですからね。

勉強方法・勉強時間

私は2回目のネット試験でようやく合格できたので、不合格時と合格時それぞれの勉強方法・勉強時間を紹介していきます。
不合格時と同等以下の状態で受ける人は注意した方がいいと思います。

不合格時の勉強方法・勉強時間

簿記3級を合格するまでに必要な初心者の勉強時間は100~150時間らしいです。
そこから逆算して、1日に最低1時間だと考えると3ヶ月での合格を目指しました。

3ヶ月前~2.5ヶ月前

インプット中心 勉強時間:1日30~60分

このテキストをとりあえず1周読んでみる。

本当に初心者だったので、1度読んだだけだと何も理解出来ていませんでした。

本当に読むのが苦痛で苦痛でしょうがなかったです… 
このテキストが読みにくいとかじゃなくて自分の知識の無さ、理解の悪さからなんでしょうが、全然今までこんな内容を聞いたことなかった身からすると、
「なんで勘定科目が問題によって違うの?これ覚えないと解けないの?暗記科目なの?」
「なんで資産は借方なのに、純資産は貸方?てか資産と純資産の違いって何?分ける意味わかんねぇ・・・」
「送料を勘定に含めたり、含めなかったり違い何?統一しろよ・・・」
「そもそもなんでこんな単純作業今の時代会計ソフトで一発だろう、人間にやらせるなよ・・・」
などなど、良くない方向にばっかり考えが行っていました。途中何度も諦めかけたことか。何度Googleで「簿記3級 意味ない」「簿記3級 不要」とか調べたことか・・・

受験が終わった今だからわかることですが、学生時代含めて今までと全然違う分野だから拒否反応が酷かったんだと思います。

簿記には向き不向きがあると言われているので、向いていなかったんでしょうね。

 
テキストを1週読み終えるのは2週間くらいで終わりました。理解しているわけではありません。あくまでも読み終えただけです。

2.5月前~0.5ヶ月前

インプット+アウトプット 勉強時間:1日約60分

テキストを読み終えたので、知識の確認としてアプリで仕訳の練習を始めました。
簿記は仕訳をとにかく数をこなして、反射神経で溶けるレベルまでにしなければいけないと、いろいろな口コミでみたからです。

使用したのはこちらのアプリです。

簿記3級 解説付き問題集

簿記3級 解説付き問題集

Trips LLC無料posted withアプリーチ

このアプリは完全無料で仕訳問題だけでも1000問以上が収録されています!分野別、出る順、勘定科目の特定など好みに合った勉強方法がとれます。

このアプリを使って、まずは分野別問題を1日10分でもいいから解きました。電車移動の中、昼休みの余った20分、お風呂を沸かしている10分などのスキマ時間での勉強がメインですね。

問題を解いていくと自分の理解の薄い分野がわかるので、そこを何度もアプリで仕訳を解いたり、テキストに戻って読み直したりすることでアウトプットをしながらインプットも同時並行することを心がけました。

一度で100%の正答率を目指すのではなく、とりあえず全問解いてみる。次の日は必ず前日前違えた問題を再度やる工夫をしていました。アプリの機能で問題にチェックを付けられるので、毎日チェックのついた問題を解き直す感じです。

ただ、アプリだけだと第1問の仕訳問題の練習しかできませんし、購入したテキストには模擬問題は1回分しかついていなかったので、Udemyで4回分の模試を購入しました。
簿記は過去問がどこにも掲載されないし販売されないとのことなので、このような予想問題を自分で購入するしかないんですよね。基本情報とかとは違いますね。
予備校講師直伝の日商簿記3級模擬試験実戦答練~「スキマ時間でビジュアル簿記3級」問題演習編~

全問題に動画で解き方の解説があるので、私のように初心者かつ独学で勉強するのにはかなり助かりました。
覚え方、考え方、穴埋めの潰し方などテクニック的なところもたくさんあったので購入して良かったです。

最初は第一問以外はほとんど得点できず40点台とかの状態でしたが、それでも同じ問題を完全に理解できるまで繰り返し解いていました。

Udemyは問題や回答用紙などがPDFでもらえるので、それをPC画面上に映して。手元のノートに回答するようにして実際のネット試験に近いような状態で勉強をしていました。

0.5ヶ月前~直前

アウトプット中心 勉強時間:1日約2時間
この時期でもアプリでの仕訳練習、Udemyの模試、テキストの付属問題、それぞれの反復練習が中心でした。

それに加えて簿記系YouTuberで有名なこの方の動画で、仕訳の総合演習をしていました。

こちらの動画の問題も1回目43/50点、2回目48/50点の状態でしたので、仕訳に関してはもう十分かなという状況でした。

さらに、こちらのサイト(StudyPrp)に完全無料の予想問題が掲載されていたので、解いてみました。
StudyPro
第一回は84点、第二回は72点だったので、まぁ大丈夫かなと判断しました。
ちなみにこちらのサイトはネット試験とほぼ同じ形式だったので、予行演習には一番良かったです。

不合格時の結果

そんな状態でトータル3ヶ月合計100時間以上は勉強した状態で受験した結果はこちら。

・第1問 36/45点(使用時間14分)
・第2問 0/20点(使用時間26分)
・第3問 20/35点(使用時間20分)
    合計56点
全然惜しくもない!全然足りてない!

不合格の原因

原因はすごくはっきりしていました。
それは第2問に時間を使い過ぎた挙げ句全然整合性が取れない状態で終わり、第3門に20分しか使えない状態になってしまったことです。

第2問は出題範囲が広く、問題のパターンも第1問や第3問に比べるとかなり多いため、対策が取りづらい上に得点を稼ぎにくいと言われていました。それなのに本番中は焦りから、「あと5分考えれば第2問だって満点取れる!」「第3問は得意だから20分でいける!」とか考えてしまって全然正常な判断ができない状態になってしまったんですよね。家でやるときもそんな思考になったことはなかったんですけどね・・・

さらに、第2問は私の苦手だった決算仕訳の繰延の問題でした。
それに、Udemyなどのどの問題を見ても第二問は(1)(2)の2種類の問題構成で、どこかで何かしら部分点をとれる問題だったのに、本番では決算仕訳だけ!決算仕訳の最初が出来なければ1点も稼げないような問題でした・・・

Udemyやネットの無料試験では難問扱いされている問題よりも難しかった印象です。
難問だから解けなくても理解できればいいとか、部分点取れればいいとか言われて模試では合格点さえとれていれば良しとしていましたが、まさか部分点さえとれないほどとは・・・

簿記の試験は問題のレベルにばらつきがあるのはわかったいましたが、おそらくこのような問題を引くと合格率が30%を切ったりするんでしょうね!あとで細かく書きますが、2回目の試験の方が全然簡単でしたもん!2回目の試験問題を1回目の受験時に出してくれれば合格出来た自信ありますよ!

とまぁ今考えても仕方ないので、そのときに再受験に向けて自分でやるべきことははっきりしました。
・問題を解く順番を固定し、時間配分も固定する。 第1問15分→第3問30分→第2問15分
・自宅で勉強するときは、上記の時間を厳守する。
・1回で60分以上確保できないときは大問単位で勉強して、時間切れになったらそこで終わり。
 例えば第3問を30分だけでやって、30分になったらどんな状態でもやめて未回答部分はハズレ扱いにする。
・本番を想定して、黒ボールペンしか使えない状況でやる。今まではシャープペンを使ってたので、第3問で仕訳を連続でやるときに訂正が入るときれいに修正できていたのですが、本番ではそんなことできません。汚くなり焦りが余計に生まれていました
・第1問、第3問だけで70点を目指し、対策のしずらい第2問は5点も取れれば十分の気持ちでやる。
・第2問対策のために予想問題集の数を増やす。下記の問題を追加で購入。落ちた当日にAmazonでお急ぎ便で注文。

合格時の勉強方法・勉強時間

勉強時間:1日約3時間
問題なのは第2問だけであることはわかっていたので、落ちた翌日には再受験を申し込んでいました。土曜日に受験し、5日後の木曜日の夜に受験を申し込みました。

まずは購入した問題集で9回分の第二問を解きます。
それを今までと同様に間違えた問題はノートになぜ間違えたのかをまとめて、次の日にもう一度解き直し合計2回ずつは解きました。

そして、UdemyとStudyProで難問扱いされている問題を100%正当できるまで繰り返し解きました。これも2回ずつくらいでできるようになりました。難問だからいいやの精神では、本番では部分点さえとれないのです。難問とかそんなもの気にしないようにしましょう。

スキマ時間には引き継きアプリでの仕訳を繰り返します。アプリでは★1~★3で出る順に問題がまとめられているので、★2。★3は全て100%回答できるように繰り返しました。

また、YouTubeで自分の苦手な、決算仕訳、前受金、前払金の解説動画も何度も聞いて理解させました。

合格時の結果

追加で20時間程度の勉強をして、トータル約3ヶ月合計150時間弱は勉強した状態で受験した結果はこちら。

・第1問 39/45点(使用時間12分)
・第2問 9/20点(使用時間18分)
・第3問 32/35点(使用時間25分)
見直し5分   合計80点
問題の難易度がかなり簡単になっていました!

第2も決算仕訳がまた出たものの、予想問題の通り(1)決算仕訳(2)登場する補助簿の丸付け という2問構成だったので、最初で間違えて0点なんて大事故は起こらなくなりました。

時間配分を徹底したおかげで第3問も冷静に取り組むことができました。最後に損益計算書の借方・貸方合計が合わなかったのでどこかで計算ミスをして、当期純利益の合計が間違ってたのでそこで3点を落としているのだと予想しています。

まぁ受かったから結果オーライ!!

受験した感想

合格してからまだ1ヶ月も経っていませんが、合格して感じるメリットはまだほとんどありません。
会計の話が本とかで出てきたときにイメージしやすくなったくらいです。

続けて簿記2級を受けるかと聞かれれば、受けたくない気持ちに傾いてます。
簿記2級は初心者だと勉強時間が約300時間必要だと言われています。簿記3級も100~150時間と言われていて、私は本当にその時間勉強しないと受かりませんでしたから、きっと本当に300時間必要なんでしょうね。

300時間あれば他の資格もたぶんとれますし、ブログだって50~100記事は書けます。
簿記2級を取ることで何がしたいかですね。別に私は経理になりたいわけでも、資格を集めてドヤりたいわけでもないですので、300時間はさすがにコスパが悪いと思うので、やるなら別の資格かなと思ってます。

FP3級だって落ちてもう諦めましたからね。私の受験時の経歴も書いているので、簿記3級落ちちゃったよという人はご参考に。

FP3級に落ちた!?受けてみたら意外と難しかった。実技で不合格になった話。

取得までにかかった費用

合計11400円でした。
・受験費用:3400円×2=6800円
・電卓(替えのボタン電池含む):1000円 
・テキスト:1100円
・予想問題集:1100円
・Udemy:1400円

受験費用もテキストもかなり安いので、資格としてはかなり安く抑えられますね。電卓も簿記以外にも使えるといえば使えるし。
コスパはわるくない資格だと思います。

なぜ簿記3級が難しいのか

150時間近くも勉強していて、なぜ簿記3級の勉強がつまらないのか私なりにはこう考えてます。
・採点が雪だるま式で、1問間違えるとその後の全ての問題を間違える。考え方や部分点が稼げる試験ではない。
・ある程度の暗記が必要なものの、同じような名前、普段使わないような名前ばっかりでイメージがつかみにくい。
・同じような問題ばかりで、勉強していてつまらない。新しい学びが少ない。
・間違えるところはいつも、計算ミス、電卓打ち間違いとかで、成長している感じがしない。
・会計ソフトとかを使えば間違えないようなところを人間の手で考えさせられて、意味を感じない。
・難易度の割に社会的な評価が低い。資格難易度ランキングとかでも低め。

今まで受けてきたIT系の資格と比較しても難しい部類だと思います。IT系は仕事で絡んでるからっていうのもありますが。
決して簿記3級は簡単な試験ではありません。FP3級よりも難しかったと思います。FP3級は30-40時間しか勉強しませんでしたからね。(落ちましたけど)
落ちたからといって自分がバカだとか、こんな試験も受からない自分はやばいとか責めないであげてください。落ちる人の方が多い試験ですし、落ちたときは合格率30%未満のハズレ回だったと割り切りましょう。安い試験なので諦めず何度か受ければすぐに受かりますよ!

合格するメリットもあるわけです。
会社の数字が理解できるようになるとか、個人事業主で税処理がスムーズになるとか、税理士や公認会計士にステップアップできるとか、いろいろありますよね。まだ実感ないですけど!

完全に自己満受験記録でした!

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