SEの将来性は?転職先は?ITコンサルとの違いは?よくあるSEの質問17個 一問一答!【後編】

SEの将来性は?転職先は?ITコンサルとの違いは?よくあるSEの質問17個 一問一答!【後編】

前回の記事に引き続き、SEについて、よくある質問に対して一問一答形式で答えていきます。全部で17個の質問を紹介します。
前回の記事を呼んでいない人は参考にぜひ読んでおいてくださいね、

SEは文系でも大丈夫?残業が多い?休日出勤はある?よくあるSEの質問17個 一問一答!【前編】

SEのキャリアに関する質問

Q13:将来性はあるの?

A:かなりあります。
IT化が進んでいく現代において、エンジニアは不滅の職種です。近年ではIoT化、クラウド化、人工知能の利用など、どこにいってもIT技術が利用されている社会になっています。

新しい仕組みや製品を開発したければPGになればいいですし、システムやインフラを作りたければエンジニアになれば食いっぱぐれることはありません。

しかし、SEに将来性は無いと言われている節もあります。
それはRPAやAIにより業務をロボットに代わりに実行させるような技術が発展してきたことと、先端技術への対応が国内外でも必要になってきているからです。

古い技術(IT用語でレガシーといいます)ばかり専門にしていれば、将来必要な技術についていけなくなりロボットやソフトウェアにより代行されます。
SEでも常に管理業務や外注による丸投げばかりで専門性を身に着けていない人も同様に必要なくなります。

今後はセキュリティやAI、IoT、クラウド、ビッグデータといった先端技術へ対応できるSEとして成長できなければ将来性はないでしょう。
単純作業や、プログラムによる定義付けで置き換えられるような作業であればすぐに機械に置き換えられてしまいます。技術を操る側である必要がありますね。

Q14:勉強しなければいけないんでしょう?

A:ある程度は必要です。
資格の話でも出しましたが経験の薄い若手では必要であり、中堅以降であればあまり必要ありません。でもそれはIT業界に限ったことではありませんよね。やったことのない仕事をするには勉強するしかありません。

去年と同じ仕事しかできない人は昇給・昇格ができるわけがありません。お金が欲しいなら勉強することは避けられません。

Q15:技術の移り変わりが早くて大変?

A:人によってはそうです。
これも経験が薄いと技術の移り変わりについていくことに精一杯ですが、ある程度経験してくると技術が変わったとしても根本は同じだったり、似通った技術経験があったりするのですぐに習得できるようになります。

また、人によってはマネージメント系が得意で専門とするようになる人もいるので、マネージメント系の人は技術の移り変わりごとに勉強するようなことは比較的少ないです。多少でも知らないと話にならないので最低限の勉強は必要です。

ただ、これもIT業界に限ったことではないかと思います。どんな業界でも常に進化していますし、キャリアアップを目指す人はむしろ新しい技術や分野を増やしていくほうが、キャリア形成につながるでしょう。

ずっと似たようなことばかりしていてもつまらないですし、飽き性の人にはむしろ面白い部分だと思います。

SEの転職先に関する質問

Q16:転職先はどんなところ?

A:SEの転職先としては一般的には下記のような感じです。SEからの大きく変わるところについて紹介します。

◆社内SE
外出、残業、深夜・休日作業が減り安定した勤務になりやすいです。
給料は下がる傾向にあり、社内SEからの転職先は減ります。社内SEはシステム開発の顧客側の立場ですので、システム開発企業のSEよりか技術は身につきにくいためです。

◆PG(プログラマー)
Web系の企業に就職して、管理や基盤構築中心だったSEから製品の中身の開発を担当するようになります。
システム開発時のようなシステム停止をともなうテストや移行による深夜・休日作業は減ります。給与は仕事内容次第です。

◆セールスエンジニア
技術営業、プリセールスエンジニアと呼ばれることもある営業とエンジニアの中間職です。システム開発の提案や、自社製品の提案をメインに行います。

営業職なので外出は増えますが、自分で構築をすることはないので案件確保につながったら終わりです。営業成績により手当がつくこともあるので、成績次第では給与が上る可能性がありますが、SEよりプレゼン能力が必要とされます。

◆ITコンサルタント
顧客に対してIT技術を利用して経営戦略や業務改善、システム開発支援をメインに行います。

しかし、システム開発だって顧客に対してコンサルティングを行うこともあるので、実情はSEと同じような業務を行うことも多いです。
業務の幅が広くなり、難易度も上がるので給料は高くなります。ITコンサルタントについては長くなるので次章でも詳しく説明します。

◆フリーランス
企業を通して案件を取得していたところを、企業を通さずにフリーランスエンジニア紹介企業からの紹介で案件に入るようになります。企業に属さないので自分の単価のほとんどが自分の手取りになります。

例えば
企業付属の場合は、単価月100万でも毎月の給料は基本給30万とかでしょう。
フリーランスの場合、単価月100万から仲介企業への手数料10~20%を引いた
80万くらいが毎月の給料に入ります。

実際に給料欲しさにSEとからフリーランスになる人は多いのですが、SEと比べてフリーランスのメリット、デメリットを紹介します。

フリーランスのメリット
・収入が増える。
・好きな仕事、現場を選べる。
・企業に縛られないから自由にできる。
・法人化すれば社会保険料が安くなる。
・いろんなものを経費として精算できるので、税金が安くなりやすい。

フリーランスのデリット
・既に一人でこなせる仕事の案件にしか入れないから、仕事の幅が広がらない。
・案件参加に年齢制限があることが多い。
・給料は上がるが、高い案件は取りづらくなる。
今まで所属する企業の実績とサポートありきでの単価です。フリーでは完全に個人の成果になるので顧客から信用は得にくいです。
企業であれば単価月100万は若手でも簡単にもらえますが、個人であれば100万はかなり高い方になります。

・案件に入らなければ給料がないので、不況時には仕事がなくなる。
どこも最初に切られるのは自社社員ではなく、立場の弱い外部の社員からです。お金がなければ自社社員で回すようになります。

・体調不良時には有給もないので、基本は契約単価から減給される。
・税金、経費精算、請求書、確定申告など事務処理を全て自分でやる。
・社会的信用が低くなるので、クレジットカードが作りにくくなったり、住宅ローンが組みづらくなったりする。

実際にフリーランスエンジニアの人を多く見てきていますが、どの人も40歳前後でフリーランスをやめている人が多いです。
案件参加の年齢制限に引っかかるようになったり、将来の働き方に不安を感じたりして、システム開発企業に就職しなおしているようです。

自社社員であれば年齢制限はなく適切なポジションを与えられますが、フリーランスのような特別な外部社員の場合は35歳、40歳、50歳くらいで年齢制限を設けている案件があります。PMの年齢やメンバーの構成から、あまりに年上だと扱いにくいとされてしまうためです。

フリーランスでは2,30代でも簡単に年収1000万を超えられますが、40代以降は仕事をとれるかどうかもわかりません。同じ仕事しかしなくなるので、技術の移り変わりにも対応できなくなっているかもしれません。

大手のシステム開発企業や、ITコンサルティング企業であれば40代以降でも年収1000万代を狙えます。仕事も安定してもらえますし、案件が取れない時期でも給料は変わらずもらえます。

どうしても個人で自由にやりたい理由がなければフリーランスはあまりオススメできません。
副業の方が儲かっているとか、今後数十年もフリーで稼ぎ続ける自信があるのであればフリーランスでもいいでしょう。

SEとITコンサルタントとの違い

Q17:SEとITコンサルタントの違いは?

A:経営戦略や業務改善のみを目的としたプロジェクトを担当したりするのはSEとの違いの一つです。

システム開発企業と同じように、システム開発支援のプロジェクトを担当する場合は、「提案や要件定義」「PMやPMOとしての採用」のように難易度の高い部分でスポットでの短期間投入されることが多いです。SEよりも単価が高価であるためです。

システム開発でよくある例ですが、
一次請け企業上位SE:単価月170万、一般SE:単価月150万、
二次請け企業上位SE:単価月120万、一般SE:単価月100万、
三次請け企業上位SE:単価月80万、一般SE:単価月60万、
(実際には個人や職種に紐付いた金額になっている)

という嫌な階層構造をシステム開発企業はとっていますが、ITコンサルティング企業はこの一次受け企業に営業をかけて、一次受け企業から契約を取り、
コンサルティング企業上位コンサルタント:単価月250万、一般コンサルタント:単価月200万
なんて金額で契約を取ります。

一次受け企業もPM能力ができる人がいなかったり、システム開発に加えて業務改善もしてくれたりするというのでITコンサルタントを外部から取ってきます。

そのためITコンサルタントになるには、SE能力に加えて、経営戦略や業務改善に関する基礎知識、提案能力やコミュニケーション能力が求められます。

それでも単価が高いので顧客からは簡単に切られます。SEと変わらない働きしかできなければ安い二次受け以下のSEを増やせばいいのですから。

その分給料が多くなり、若くしてかなりの金額も稼げる上に、経営戦略を専門とした上位企業のコンサルタントを目指すことも可能になってきます。

具体的にITコンサルタントのモデルケースを紹介します。

年齢 年収
大卒25歳前後 500~600
30歳前後 700~1000
40歳前後(役職なし) 800~1200
30~60(役職付き)※ 1200~3000

※個人の能力主義の世界なので30歳で役職を得られるような人もいます。
 年功序列ではないので、1年間で数百万単位で年収が上がることもあり得ます。

しかし、実際のところSEの業務とあまり違いの見られないプロジェクトも多くあります。
提案から保守まで全てをITコンサルティング企業で受け持つために、構築や保守部隊を持っているITコンサルティング企業も存在します。

じゃあ結局のところSEとITコンサルタントの違いは何かと言われれば「目的と意識の違い」でしょう。
システム開発企業のSEだって顧客に対してコンサルティングをすることだってあるんですから。

極端な言い方ですが、
SEは営業が取ってきた顧客に対して、システムを構築することが目的です。
一方で、
ITコンサルタントは顧客に対して、最善のシステムを最善の方法で構築することで、顧客に成果を出すのが目的です。

具体的にITコンサルタントがSEと違い、遂行しなければいけないことは、
「ヒアリングしきれなかった要件・要望を聞き出して最適な実現方法を考えて、顧客のできないことを実現すること」
「最適な人員配置とタスク管理により効率的に構築することで、顧客のコストを削減すること」
「顧客が今まで苦労していた業務を標準化することで、誰でも簡単にこなせる手順として浸透させること」
などを実践していき、最終的に顧客に成果を見せつけることがITコンサルの目的です。

目的の達成のために、常日頃から勉強して前向きに取り組む意識により目的が達成できるものだと思います。

コンサルタントにはクライアントファーストと呼ばれる考え方があり、何をするにも常に顧客の利益を追求することが求められます。与えられた業務をタダこなすだけではコンサルタントとは呼べません。常に顧客に対して、気付きや改革を与えなければいけません。

SEよりかは厳しい環境になることは確実ですが、システム構築や保守を担当することをなくなるのでその分深夜・休日作業はなくなります。

業務内容が幅広く難易度が上がりますが、ITコンサルタントは個人の能力主義の世界なので成果が給料に反映されやすく、30歳にして年収1000万円も狙える職種です。
SEからのキャリアアップにはオススメです。

注意点としては、ITコンサルティング企業がシステム開発案件に対して参加している場合はほとんどが客先常駐です。経営戦略やエンドユーザーのIT戦略策定のような案件であれば自社で仕事ができますが、ほとんどのITコンサルティング企業はIT系の案件を中心に取り扱っているのでそうもいきません。

詳しくは下記の記事でも触れています。

請負、準委任、派遣、SES、IT業界の契約形態による違いを解説!実際の仕事の違いはあるのか?

東京都内のITコンサルティング企業がどこも一等地に立派なオフィスを構えてるものの、社員数の割にオフィスは狭く全社員を収容できません。ほとんどが客先常駐だからです。

客先常駐が嫌だったり、切られるのが怖い人であればITコンサルティング企業ではなく、一次請け企業や、自社開発のみを行う企業を狙うのが良いでしょう。

まとめ

長くなったので前編・後編に分けてしまいましたが、よく聞かれる質問には答えたつもりです。
他にも疑問、質問あればお気軽にコメント等頂ければお返事しますのでお気軽にどうぞ。

 

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