自分がキャンプ場経営をするとして、大量の薪をどうやって仕入れるのかを調べてみました!
仕入先はどこか?どれくらいの値段で仕入れて、どれくらいの利益(粗利)が出るのか?などを考察してみます。
この記事を読むことで次のことが理解できます。
・薪の利益率
目次
薪の仕入先
薪を自前で用意することは労力がかかりすぎるため考えません。
どこかから販売できる状態の薪を、大量に購入することを考えていきましょう。
また、薪にも種類があり、
広葉樹は、密度が高くて火持ちが良い。でも火がつきにくい。
針葉樹は、密度が低くて火持ちが悪い。でも火がつきやすい。
と言われています。まぁそれでも乾燥度合いが一番重要なんで、ひとくくりにそうだとは言いにくいです。
キャンプ場では、広葉樹、針葉樹どちらも売っているところが多いですが、どちらかというと広葉樹の方が多い印象です。私も買うなら広葉樹の方を選んでいます。
今回は比較のために、各業者からできるだけ安い広葉樹をピックアップすることにしましょう。
①薪販売の専門業者から仕入れる
どこで使用するかはひとまず置いておき、Googleで検索してヒットした薪販売業者の実態をまとめてみて相場や、粗利率を考えていきます。
比較する薪は、そこで取り扱っている代表的な薪とします。
1.東京薪販売(東京都町田市)
500kg以上の場合、30km以内であれば11000円で送付
ちなみに、キャンプ場で売られている薪は1束7kgが一般的。値段は700~1000円が一般的。
軽トラいっぱいに薪を積載すると350kgくらい。つまり、350÷7=50束分
ということは、ここで購入する場合は1束(7kg)あたり578円。
1束1000円で売るとすると、粗利は1000-578=422円。粗利率は422÷1000=42%。
しかし、これは自分で薪を取りに行ったときの話です。
本当は遠くて配送料もかなり取られるかもしれないし、キャンプ場に薪を並べる人件費も考慮していません。
それに、薪1束1000円は高いと思われる方です。
1000円で売れたとしても人件費を考慮すると、粗利率は30%を下回るかもしれません。ただ、今回は薪の相場を調べることが目的であるので、計算を簡略化するために、人件費は無視とします。
2.大分薪屋(大分県豊後大野市)
1kgあたりの値段は、30000÷350=86円
つまり、1束(7kg)あたりの値段は、86×7=602円
1束1000円で売るとすると、粗利は1000-602=398円。粗利率は398÷1000=40%。
3.塩尻市森林公社(長野県塩尻市)
針葉樹ミックス:軽トラ平積(0.8㎥程度 280kg) 8,800円/台
私が確認した時点(2022/3)では在庫待ち状態でした。
1kgあたりの値段は、13200÷280=47円
つまり、1束(7kg)あたりの値段は、47×7=329円
1束1000円で売るとすると、粗利は1000-329=671円。粗利率は671÷1000=67%。
4.里山薪工房(長野県上伊那郡飯島町)
私が確認した時点(2022/3)では在庫待ち状態でした。
1束あたりの値段も載っていたので、粗利だけ計算します。
1束1000円で売るとすると、粗利は1000-380=620円。粗利率は620÷1000=62%。
5.いび森林資源活用センター(岐阜県揖斐郡揖斐川町)
1束(7kg)あたりの値段は、16.5×7=116円
1束1000円で売るとすると、粗利は1000-116=884円。粗利率は884÷1000=88%
けど、ここは原木の状態で売っており、薪としては売っていません。
自分で巻きにするためにチェーンソーや斧で細かく切断する必要があるので、相当な手間が発生してしまいます。
一応参考としてということで、載せておくくらいにしましょう…
薪販売業者 まとめ
薪の相場は、
50~85円/kgあたり。平均すると65円/kgくらい。
1束(7kg)あたりの平均値段は 65×7=455円
1束700円で売ると、粗利は700-455=245円。粗利率は245÷1000=25%
1束1000円で売ると、粗利は1000-455=545円。粗利率は545÷1000=55%
全て人件費、送料を入れていません。
薪を直接軽トラで仕入れて、自分で薪棚に並べるだけでも丸一日、少なくとも半日は使うし相当な重労働ですよね。
キャンプ場での薪の販売で、利益はほぼ見込めないのかもしれません。
次に、別の手段を考えてみましょう。
②ホームセンターで大量に購入する
薪専門販売業者が近くにあるとも限らないので、よくあるホームセンターで購入することを考えます。
オンラインショップで薪を販売しているところだとこんなかんじです。店頭販売とほとんど変わらないはずです。(記憶によると)
その他、ホームセンターの実店舗で見た限りでは 1束(5kg~7kg)で700~1000円が相場のようです。
ということで、ホームセンターで購入したものをキャンプ場で販売するとなると、粗利はゼロです。
③通販で大量に購入する
Amazonか楽天のような通販サイトでの販売価格を調べてみます。
1.Amazon
送料を考えてもっともコスパの良さそうな商品がこちら。 薪 広葉樹 岩手県産 長さ約30cm 20kg 6000円 送料無料(東京)
1kgあたりの値段は、6000÷20=300円
つまり、1束(7kg)あたりの値段は、300×7=2100円
1束2100円で売ってやっと粗利ゼロ。
でも薪1束2100円のキャンプ場なんて見たことないです。Amazonで購入することは現実的ではありませんね…
Amazonで売られている薪は送料がかなり高くなってしまうので、相場よりもかなり高いです。
2.楽天
送料を考えてもっともコスパの良さそうな商品がこちら。
1kgあたりの値段は、3090÷20=155円
つまり、1束(7kg)あたりの値段は、155×7=1085円
1束1100円で売ってやっと粗利ほぼゼロ。
こちらもAmazonのときと同様に高いですね。キャンプ場で1100円で薪を売ったら悪評がつくこと間違いなしです。
ただ、楽天はAmazonよりもポイントがかなりつきやすいです。
私の場合はこの商品を購入すると約400ポイントがつくので、その分を引いて計算し直すと
1kgあたりの値段は、(3090-400)÷20=135円
つまり、1束(7kg)あたりの値段は、135×7=945円
1束1000円で売ってやっと粗利55円。粗利率は55÷1000=6%。
まとめ
1束1000円で売ると、粗利は1000-455=545円。粗利率は545÷1000=55%
ホームセンターやAmazon、楽天からの仕入れだと販売による利益はほとんど出ない。
人件費や送料が別途かかってしまうことを考えると、薪の仕入れと(キャンプ場での)販売は利益がほぼ見込めない。
薪の販売で少しでも利益を取りたいのなら、
・原木の状態で仕入れて、自分で切断する
・自分の土地の木材を伐採して、数ヶ月乾燥させて切断する
・市の森林組合などに声をかけて、余っている木材を格安で調達する
などが選択肢としてあると思います。
まぁどれも一筋縄にはいきませんね。
キャンプ場を自分で経営するときには、スペースと労力を割く余裕があるなら薪を自分たちで作って利益も狙い、余裕がないなら薪の販売は人件費含めて利益をプラマイゼロに収めることを目標にすればいいと思います。
近場に薪販売の専門業者があればいいですけど、そうとも限りませんからね。
この記事内容は入っていませんが、今までこのブログで書いていた「キャンプ場経営で考える〇〇」シリーズを改めて体系化し、Kindleとして出版しました。
ブログ内の内容と基本は同じですが、経営戦略の考え方としてちゃんとした流れで記載しているので理解しやすいかと思います。
Kindle Unlimitedとして出版しているので、加入している人は無料で読むことができます。「ちゃんとした順序で読みたい」「電子書籍でスキマ時間に読みたい」「無料だからとりあえず読んでみる」といった方はぜひ読んでみてください。