キャンプ場経営で考えるVRIO分析、経営分析(フレームワーク)の順番を整理【事例紹介】

キャンプ場経営で考えるVRIO分析、経営分析(フレームワーク)の順番を整理【事例紹介】


キャンプ経営を具体的な事例として当てはめ、VRIO(ブリオ)分析を行います。また、このような経営分析手法(フレームワークと呼ばれる)をブログ内でいくつかやってきているので、全体像とそれぞれの分析手法の立ち位置を整理します。

この記事を読むことで次のことが理解できます。

・経営分析のフレームワーク全体像とそれぞれの立ち位置
・VRIO分析とは何か
・VRIO分析の具体的例
・自社の競争力の強さ

経営分析のフレームワーク整理

経営分析としてマーケティング分析に持ち至られる手法(フレームワーク)がいくつか存在します。
このブログ内でも以前に、SWOT(スウォット)分析、PEST(ペスト)分析、3C(スリーシー)分析、5F(ファイブフォース)分析をキャンプ場経営に当てはめて考えてみました。

ただやみくもに分析を行っているわけではなく、これらのフレームワークにはちゃんとした順番や目的が存在します。
一つだけ分析してもあまり意味はなく、自社(自分)や市場を把握したうえで、基本的な戦略を練り、具体的な施策を考えていくといった順番が必要になります。

今までは自社の置かれた環境を分析する、環境分析を行っていました。
マーケティング分析の全体像はこんな感じです。

そして、環境分析の中でまだやっていなかったVRIO(ブリオ)分析と呼ばれるものを今回はやっていこうということです。

VRIO分析の立ち位置はここです。赤枠が以前記事にしている部分ですので、気になる方は以前の記事を参照してください。

VRIO分析とは

自社がどれだけ競争力を確保できているのかを分析するための手法です。
Value(経済価値)、Rarity(希少性)、Inimitability(模倣困難性)、Organization(組織)、の4つの観点をこの順番で、Yes or Noで答えていき、自社が業界内で生き抜くための競争力を持っているかどうかを判断します。

図に表すとこのようになります。Value(経済価値)から順に答えていき、Noの答えが来たら右端の競争優位の状態が判断されます。

実際にキャンプ場経営で考えてみよう!

キャンプ場経営に当てはめる

いつも通りシナリオとしては、私が関東で東京からそこそこアクセスのいい片田舎の潰れたキャンプ場を誰かから無償で受け継ぎ、サラリーマンをやめてキャンプ場経営を始めるとします。とっても都合がよくて図々しい仮定ですね。
それぞれの質問に対しては、私だったらこんな感じでキャンプ場経営してるだろうとの考えのもの答えてみます。

Value(経済価値)

質問:目標達成に有効な経営資源はあるか?
回答:Yes
根拠:
キャンプ場経営において、キャンプ場の敷地、設備が経営資源となります。
また、顧客向けのレンタル品などのお金を生み出してくれる道具も経営資源になるので、経営資源はあると判断します。
そもそもキャンプ場も道具も何もない状態だったら経営できていないので、営業開始をしていればほとんどの人がここはYesでしょうね。

Rarity(希少性)

質問:限られた企業だけが持つ経営資源はあるか?
回答:Yes
根拠:
大浴場付きということ、予約管理システムを完備している(という設定)ことは、キャンプ場としては少ないと思うので限られた企業であると判断します。
どうしても焚き火で炭臭くなってしまいますし、テントの設営・撤去作業などで汚れてしまうので、キャンプ場に泊まりにくる人は近場の温泉や銭湯を求めている人も多いです。実際私自身がキャンプするときもそうですし。

また、キャンプ場経営をしているのは田舎だったり年配の方だったりで、予約はできないことや、電話のみでしか対応していないところも多いです。
そんな中で、予約管理システムでスマホからでも簡単に予約状況の確認や精算もできるようにシステムを作り上げてしまえば、若い層の取り込みもでき、近場で予約がとれずに検索エンジンから検索してホームページにたどり着いた人を取り込むこともできます。これは十分に限られた企業が持つ経営資源であると判断できるでしょう。

他にも、グランピング設備を整えていることや、冬や積雪時でもテント泊ができる区画、電源が使用できる区画を用意すること等も希少性として認められると思います。

Inimitability(模倣困難性)

質問:他社に模倣できない経営資源はあるか?
回答:Yes
根拠:
タッチパネルを利用した完全自動受付システムがある(という設定)ことは、他社には模倣できない経営資源であると判断します。
キャンプ場はチェーン店展開のようなことはしておらず、キャンプ場が独自に管理しているので、どうしても人の手が必要になってしまいます。

脱サラして、コネもない私がキャンプ場経営をするには人手が足りない上に、受付に誰かを常に置いておかなければいけないとなると、そこで1人分の人件費が余計にかかります。

そこでタッチパネルを使って回転寿司屋やチェーン店の居酒屋のように自動受付、自動注文、自動精算などを実装することで極力管理する手を省き、人件費を安く抑えます。採算がとれるかとか実装できるかは置いておいて、このようなキャンプ場を今までに見たことも聞いたこともないので、この完全自動受付システムは他社に模倣できない経営資源であると言えるのではないでしょうか。

設定なので、実際にできるかどうかは突っ込まないでください。

Organization(組織)

質問:経営資源を有効活用できる組織があるか?
回答:No
根拠:

ありません!!

ということで、私が経営している(という設定の)キャンプ場を↑の表に当てはめると持続的な競争優位ではあるものの、経営資源の最大活用はできていないということになりますね。競争力があるのである程度の成果は見込めるものの、まだまだ成長の余地あり!ということです。

そりゃあ脱サラして片田舎に移住したばかりでコネもない身からすると、組織は持っていないのでNoですね・・・
ただ、このままでは1人でキャンプ場の中で消耗戦をするだけになってしまうので、Yesになる方法を考えてみましょう。

例えば、持続的な競争優位は保てているということがわかったので経営が軌道に乗り始めたら、アルバイトだけではなく法人化して正社員を募集します。そして自分を含めてそれぞれの社員にポジションや役割を与えて、組織化することができれば有効活用できる組織があると言えますね。

組織化するときにはある程度の定式化した業務をマニュアルにして標準化することや、システム面にまかせて人の手を挟まないような運営を目指せば組織化することも円滑になると思います。法人化できれば節税できるメリットもありますしね。

もしくは自社(自分のキャンプ場)を、経営がうまくいっていて組織化が固まっている同業他社と連携することで、自社を組織に取り込んでもらうことでも達成はできるでしょうね。まぁこれは自分で達成することを諦めて、他社が達成できていることに乗っかるのでちょっと違いますね・・・

まとめ

VRIO(ブリオ)分析とは、Value(経済価値)、Rarity(希少性)、Inimitability(模倣困難性)、Organization(組織)それぞれの質問にYes or Noで答えることで自社の競争力を知ることができる手法です。
自社が置かれている環境分析を行うことで、自社のどこに注力すべきなのかがわかります。

当然のことですが、業界で生き抜くための他社との差別化、自社の効率化が必要であることを再認識できましたね。
他社が真似できない魅力的な商品・設備がなければいけない、組織化した経営により効率的・効果的な優位性が保てることはわかりましたが、そのために具体的にどんな戦略、どんな施策をとればいいかを今後考えていこうと思います。最初に示した全体像でようやく次のステップに進みます。

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ブログ内の内容と基本は同じですが、経営戦略の考え方としてちゃんとした流れで記載しているので理解しやすいかと思います。

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