【本】「マッキンゼー式ロジカルシンキング」の要約と感想

【本】「マッキンゼー式ロジカルシンキング」の要約と感想

マッキンゼー・アンド・カンパニーという企業を聞いたことはありますか?
アメリカに本社があり日本にも支社がある、世界一の経営コンサルティング会社です。
そのマッキンゼーで実際に利用されている論理的な思考方法(ロジカルシンキング)を学べる本と、要約と感想を紹介します。

今回紹介する本はこちらの「マンガでわかる! マッキンゼー式ロジカルシンキング (宝島社新書)」

それでは本の内容を具体例を交えながら要約して紹介します。

ロジカルシンキングとは

ロジカルシンキングとは論理的思考のことで、論理的にものごとを考え、既成概念にとらわれずにもっとも適切な方法を見つけ、具体的に実行する手法・姿勢のことです。

具体的にどういうことかというと、「これがこうだったらこうなるはずだよね」というだけの話で、特別難しいわけではありません。
例えば、
「空が暗くなってきたからもうすぐ雨が振りそうだ」➔「傘を持って出かけよう」このような単純に見えることも一貫して筋の通っている話で、ロジカルシンキングといえます。

もう少し細かい話をするとロジカルシンキングには一般に2種類あり、
帰納法【きのうほう】(多くの事例・事実から共通点・類似点をまとめて結論を導く)
・冬にチョコがよく売れる
・冬にケーキがよく売れる
結論:冬にはスイーツがよく売れる ➔ 実行:冬に向けたスイーツを開発する

演繹法【えんえきほう】 (大前提となるルールから結論を導く)
・Aさんはよく食べるし、体を動かさない ← 前提:食べすぎて、動かなければ太る
結論:Aさんは太る

先程の「空が暗くなってきたからもうすぐ雨が振りそうだ」は「日中に空が暗くなってきたら天気が悪くなる兆候」という前提のもとに成り立っているので演繹法ですね。

ロジカルシンキングの身につけ方

A4メモ書きを利用する

頭に浮かんだ悩みごとやもやももやしたこと、気になることをとにかく紙に書き出すトレーニングをすることで、頭が整理されて論理的にものごとを考えられるようになり、短時間で問題の把握ができるようになります。

具体的な手順としては
1. A4コピー用紙を横置きにして、タイトル・日付を書く。
2. 4~6行、各20~30時程度で、タイトルに対する答えを羅列する。
言葉を選ばず、内容も吟味せず、頭に浮かぶままに書き出していくだけでOK
3. 1枚につき1分以内に各。毎日10枚は書いてその習慣を続ける。

例えば
タイトル:どうしていつも寝坊してしまうのか。
・寝るのが押しから
・そもそも夜ふかしが好きだから
・お風呂に入るのが遅いから
・深夜のお笑い番組が好きだから
・本を読む時間が夜しか無いから
・深酒する習慣があるから
・目覚まし時計が壊れているから
・長時間寝ても安眠できていないから
という感じで思いついた言葉・理由をそのまま書き連ねていけばOK

書いたメモ書きはカテゴリーごとにクリアファイルに分けて、3ヶ月後くらいに確認する。そうすると以前の懸念は解消して多くのことが実現できているようになっていることを確認できる材料として残しておく。

このA4メモ書きの習慣を続けることで
・頭が整理され、もやもやがなくなっていく
・言いたいことが自然と浮かんでくるようになる などなど
➔瞬時に問題点を把握して、解決策が浮かぶ状態になるゼロ秒思考状態になれます。

理由は必ず3つ挙げて、説明する

たとえどんなアイデアでも、必ず3つの理由を見つけることで、理由の弱さから思いついた案がベストではないことに築き、ああしよう、こうしようと更に良いアイデアが浮かんできます。

2要素の高低でマトリックス表を作る

縦軸と横磁気にそれぞれ重要な要素を当てはめ、その高低差によりどのターゲットに絞るかを考える材料とします。

例えば「婚活の相手選び」をテーマにすると
・縦軸はルックス
・横軸は年収

という感じで要素ごとに対象を評価して、どの層をターゲットに戦略を練るかに使えます。

ただし、婚活相手を選ぶ際や仕事に応用する際もそうですが、2要素だけで絞られるパターンはあまりないと思うので、使い所は限られてしまいます。フレームワークの一つとして利用するくらいには有効でしょう。

3C分析をする

3Cとはマーケティング環境分析のフレームワークの一つで、「Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)」の3つの頭文字を取ったもので、マーケティング環境を抜け漏れなく把握する際に利用します。

新規事業の企画や、販売戦略に用いる考え方の一つで、取り巻く環境を分析することに活用しましょう。

感想

漫画を中心としてロジカルシンキングやフレームワークを紹介しているので、理解はしやすいです。
内容のレベル感としては「ロジカルシンキングって何?」「コンサルティングってどうやればいいの?」みたいな論理的思考に興味を持ち始めたけど、知識も経験もあまりない初心者に向けた本ですね。
これからそのような分野の勉強をしたい人や、若手社会人の人だったら読んでみて損はないと言えますね。

個人的な感想としては
・A4メモ書きの話は初めて聞いたので新鮮だった。なにかと活用できそうですね。

・漫画が多すぎて内容が薄い。
漫画のページが大半で、文章のページも文字数が少ないので内容は薄く感じました。30分くらいで読み終えました。

・主人公がアホ&ちょうどいい新規企画の仕事という好条件なのでキレイに成功した話になっているが、実際の仕事に応用するためのノウハウやハウツー本ではない。
こういうビジネス漫画ってやたらと企画書の話多いけど、実際の仕事で企画書ってほとんど見たことないです。

・仮設思考についての言及がない。
実際の現場では答えが明確になっていないことばかりです。それに対して自ら仮設を立てて、その仮設に向かって根拠や事実を集めて、仮設を結論として正しいことを立証していく、というのが論理的思考に必ず必要になる考え方だと思っています。

・論理的思考のフレームワークがほとんど紹介されていない。
論理的思考では実際に活用できる考え方や分析方法に使えるフレームワークがいくつかあります。
-MECE(ミーシー)と呼ばれる、もれなくダブりなく考える手法
-クリティカルシンキングと呼ばれる、物事を鵜呑みにせずに吟味し、適切に疑う思考態度
-ピラミッドストラクチャーと呼ばれる、「結論」と「結論に至った根拠」をピラミッド状に表現した表現方法
-ロジックツリーと呼ばれる、問題をツリー状に分解し、その原因や解決策を論理的に探す方法
-帰納法、演繹法の具体的な活用方法がない。

という感じで、少し薄く感じました(あくまで個人的な感想です)。3C分析の話はマーケティングの話ですし、ロジカルシンキングとは話題が少し違うんですよね。3Cを出すならPEST分析とかSWOT分析の方が使う場面は多いと思います(経験談)。

まとめ

ロジカルシンキングやコンサルティングを勉強したての人、社会人若手で知識や経験が少ない人にはオススメです。

ある程度の知識・経験がある人にはもう少し内容の濃いロジカルシンキングの本をオススメします。

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