今の仕事が自分に合っているのか診断!『科学的な適職』7つの徳目を判定してみた。SEとコンサルタントの適正判断!

今の仕事が自分に合っているのか診断!『科学的な適職』7つの徳目を判定してみた。SEとコンサルタントの適正判断!

『科学的な適職』という本の中に、7つの徳目という仕事の幸福度を決める評価基準が紹介されています。その評価基準で自分の今置かれている仕事の状況を当てはめて考えることで、今の仕事が自分に合っているのか考える指標になるそうです。

そこで、今回はその『科学的な適職』の7つの徳目を使って今の仕事が自分に合っているのか、私の経験であるSEとコンサルタントの仕事を具体例を当てはめて考えてみます!

この記事を読むことで次のことが理解できます。

・科学的な適職とは
・今の仕事が自分に合っているか判断する項目
・具体的な判断の仕方

科学的な適職とは

自分にぴったりの仕事を探すために、科学的根拠(エビデンス)に基づき、”「キャリア選択」という正解のない悩みに答えを出す方法”を具体的に解説している本です。詳しくはこちらから飛んで読んでみてください。社会人として読む価値のある一冊です。

7つの徳目とは

『科学的な適職』の中で紹介されている、「仕事の幸福度を決める7つの徳目」という判断基準が存在します。

仕事の満足度についで調べた259の統計的な分析データにより明らかになった7つの指標です。今回はそれを使って私の前職「SE」と現職「コンサルタント」のそれぞれを判断してみようと思います。自己分析の意味も含めつつ、具体例として参考になればと思います。

①自由:その仕事に裁量権はあるか?

判断ポイントとしては下記の通りです。
・作業を実行するスケジュールを好きに設定できる
・タスクの内容をすきなように選ぶことができる
・収入や社内ルールに好きな意見を言える

②達成:前に進んでいる感覚は得られるか?

判断ポイントとしては下記の通りです。
・小さな達成感を得られる
・フィードバックがこまめに得られる

③焦点:自分のモチベーションタイプに合っているか?

人間のパーソナリティを2つのタイプに分類します。それぞれに適した職業が存在するため、自分のタイプに合っているかどうかを判断基準にします。
2つのタイプとは以下の通りです。

攻撃型:目標を達成して得られる「利益」に焦点を当てて働くタイプ。
競争に勝つのが好きで、金や名誉などの外的な報酬に強い影響を受ける。

攻撃型に適した職業:コンサルタント、アーティスト、テクノロジー系、ソーシャルメディア系、コピーライター系など
進歩や成長を実感しやすい仕事を探す

防御型:目標を「責任」の一種としてとらえ、競争に負けないために働くタイプ
自分の義務を果たすのが最終的なゴールで、できるだけ安全な場所に見を置こうとする。

防御型に適した職業:事務員、技術者、経理係、データアナリスト、弁護士など
安心感と安定感を実感しやすい仕事を探す

そして『科学的な適職』のなかには、自分がどちらの方なのか診断するテストが存在しました。

私は攻撃型でした

④明確:なすべきことやビジョン、評価軸ははっきりしているか?

判断ポイントとしては下記の通りです。
・会社に明確なビジョンがあり、そのビジョンを実現するためのシステム化を行っている
・人事評価が適切にされており、個人の貢献と失敗を目に見える形で判断できるしくみが整っている

⑤多様;作業の内容にバリエーションはあるか?

判断ポイントとしては下記の通りです。
・自分が持ついろんなスキルや能力を幅広く活かすことができる
・業務の内容がバラエティに富んでいる

⑥仲間:組織内に助けてくれる友人はいるか?

判断ポイントとしては下記の通りです。
・その組織に、自分と似た人が複数人いる
・友人と呼べる人が3人以上いる

ちょっと変わった基準なので説明を入れますと、アメリカの500万人を対象に行われた調査で下記のことがわかったそうです。
・職場に3人以上の友達がいる人は人生の満足度が96%上がり、同時に自分の給料への満足度は2倍になる。
・職場に最高の友人がいる場合は、仕事のモチベーションが7倍になり、作業のスピードが上がる。

⑦貢献:どれだけ世の中に役に立つか?

判断ポイントとしては下記の通りです。
・他人の生活に影響を与えている
・自尊心(役に立てること)、親密感(孤独から逃れること)、自律性(自分でできたこと)を実感できる

SE,コンサルタントに当てはめる

本の中ではこの評価ポイントに対して、点数付けやどれくらいの影響があるか詳しく言及はされていません。しかし、わかりやすく状況を定量的(数字で表す)に評価するためにここで私の独自ルールを使って評価してみます。
①~⑦の徳目それぞれに1~5点を付けていきます。
1 全く当てはまらない
2 やや当てはまらない
3 どちらでもない
4 やや当てはまる
5 全く当てはまる
⑦×5の合計35点満点で評価して、SEとコンサルタントの仕事について評価してみます。

SEの場合

※あくまでも私の個人的な場合です。一般的ではありませんが、同じ職種の場合多くの人が当てはまる…かもしれません
【①自由:1点】
仕事内容については、顧客や元請けに意見できたとしても、作るシステムをこちらから提案できることはほとんどありません。決まりきった流れでいつも決まった方法をとって仕事が進んでいきます。
職場環境については、縦社会でスケジュールは自分で設定できず、自分の役割を上の人が選ぶのでタスクも決まっていて選ぶこともできず、そのようなやり方に意見をしても半端者扱いでした。

【②達成:4点】
システム開発は決まった流れで各工程が行われていくので、どれだけ開発が進んでいるのかがハッキリわかります。完成品が明確に求められるシステム開発では達成感は必ず得られました。
フォードバックという観点では、評価軸が上からの一方的な評価で四半期に一度とかですのでその点ではマイナスで4点です。

【③焦点:4点】
SEはテクノロジー系に属するので攻撃型の職種といえます。
ですが、職場としていつも決まりきった業務内容ばかりで進歩や成長を感じにくい環境にあったことがマイナスで4点です。

【④明確:1点】
外資系の会社としてSEをやっていたこともあり、会社の方針や部署の統廃合は頻繁に行われてビジョンがはっきりわかりませんでした。
人事評価も部長一人からの一方的な定性評価(数字ではなく感覚)のみであり、個人の貢献度合いや顧客、プロジェクトメンバーからの評価などは一切考慮されておりませんでした。

【⑤多様:2点】
プロジェクト内のポジションや作業内容が決まりきっていることが多く、多様性はあまりありませんでした。
結構な大企業だったので、その分細分化した部署によるタスクが明確に分けられているせいもありました。

【⑥仲間:5点】
新卒で入社した会社でしたし、いつも同じメンバーと顔を合わせていたので友達と呼べる人はそこそこな数はいました。
今も連絡を取り続けている友達もいるので、この観点では満点です。みんな不満を言って転職してしまいましたけどね・・・

【⑥貢献:5点】
システムを作ることが目的のSEとしては、自分の関わったシステムが社会で多くの人に利用されていることを見ることが何度もあったため、役に立てたということは実感しやすかったです。

【合計:22/35点】

合計点は思ったより悪くなかったものに、1点評価が複数ある時点で不満の大きな種になってしまいますね

コンサルタントの場合

【①自由:5点】
仕事内容については、常に最適な方法をこちらから提案していくスタイルなので、同じことの繰り返しということはありません。コンサルタントはそもそもが会社に就職するというよりも、案件に就職するというイメージの方が近いので案件によりますが、どこでも自由度は高いです。
職場環境については、職位ベースではあるものの、下の職位の人であってもむしろ意見を言わない人が無能とされる風潮があるので、自由度は高いと言えます。

【②達成:4点】
完成品が求められず人が資本であるコンサルタントとしては、顧客に認められた時や、自分たちの提案や方法が取り入れられ明確に数字として効果が現れたときに達成感を得られます。
SEと違い、単価や稼働率、顧客やチームメンバーからの評価など複数の評価軸が存在することと、お互いに意見をハッキリと言う風潮があるためこまめにフィードバックが得られる状況です。ただ、目に見える数字や完成品という結果に結びつくことは多くはないのでその点でマイナスで4点です。
まとめ

【③焦点:5点】
コンサルタントは攻撃型の職種です。
環境としても1,2年の案件単位で目まぐるしく環境が変わり、やれる仕事の幅も広がり、職位や給料の上がり幅がかなり早いため進歩や成長はかなり感じやすいといえます。

【④明確:4点】
会社に明確なビジョンがあり頻繁に人事や上席の人から伝えられます。
人事評価の明確な基準があり、定性評価と定量評価による複合的な評価が行われます。しかし、上司からの一方的な評価を付けられることも案件によってはあるため、上司に好かれなかったらどんなに貢献しようが最高評価は得られないということも事実なのでその点はマイナスで4点です。

【⑤多様:4点】
上述していますが、コンサルタントは会社ではなく案件に就職するというイメージです。
1,2年で全然違う顧客や、業界、業務内容になることはよくあります。ただ、それも個人のスキルにあった案件に入ることになるため、結局いつも似てる案件に入ることが多いのが現実なのでその点でマイナスで4点です。

【⑥仲間:2点】
案件ごとにメンバーが変わることや、自社にいかず客先常駐が多いコンサルタントとしては友達と呼べる人は作りにくいです。
私は中途入社で入ったことや、一人だけで案件を回すことも多かったため、入社何年も経つ今でも友達と呼べる人はほぼいません。仲良くなっても入れ替わりの激しい業界なので、すぐにその人も転職してしまいます。
顧客と友達関係になってプライベートで合うような人は3人以上いるんですけどね… 

【⑥貢献:4点】
成果物として何かを提出するのではなく、顧客の悩み改善が主だったので役に立って仲良くなることは多かったです。こちらの提案内容が受け入れられて数字として役に立ったことが明確になるときもありました。ですが、目に見える形で現れることは少なかったのでその点でマイナスで4点です。

【合計:28/35点】

現職なので、高得点ですね。SEよりもコンサルタントのほうが私には合っていたということがわかりました。

まとめ

『科学的な適職』で紹介されいてる「7つの徳目」は、自分の今の仕事が合っているかを判断する指標になります。
「今の仕事を続けていいのか悩んでいる」「自分にあった仕事がまだあるんじゃないかと思っている」「複数の仕事を比較して自分に合うものを選んでみたい」というような悩みを持っている人はぜひ一度『科学的な適職』を読んでみることをオススメします。

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