ブルーオーシャン戦略「戦略キャンバス」を事例とともに書き方を解説!キャンプ場経営で差別化を考える【図解】

ブルーオーシャン戦略「戦略キャンバス」を事例とともに書き方を解説!キャンプ場経営で差別化を考える【図解】

ブルーオーシャン戦略を分析するフレームワーク(手法)として利用される「戦略キャンバス」を具体的な事例とともに書き方を解説します!
このブログで度々扱っているキャンプ場経営を具体例として当てはめて実際に作ってみましょう。

この記事を読むことで次のことが理解できます。

・ブルーオーシャン戦略とは何か
・戦略キャンバスの書き方と使い方

戦略キャンバスとは

ブルーオーシャンを想像するための分析ツール(フレームワーク)です。
ブルーオーシャンとは新しい市場のことです。反対に既知の市場のことをレッドオーシャンといいます。

戦略キャンバスをもう一度噛み砕いて説明すると、
新しい市場を見つけるために現状把握、他社との競争要因の比較・分析できるツールのことです。

ブルーオーシャン戦略とは

そもそもなんでブルーオーシャンを見つける必要があるの?

と思うでしょう。

既存の市場に参入しても、既に一定のシェアを獲得している大手企業がいるところから客は奪えないから、儲かるためには誰もいない市場で戦った方がいいよね!ということです。

例えば、服で言えば大衆受けを狙った低価格高品質の服を売りにした会社を建てたとしても、ユニクロやGUを抱えるファーストリテイリングという会社に今更太刀打ちはできませんよね。
だから大衆受けじゃなくて、ユニクロで扱っていないような超個性派な服とかで戦う土場を変えるということです。これをブルーオーシャン戦略といいます。

では戦略キャンバスの話に戻りましょう。

戦略キャンバスの具体例

戦略キャンバスの狙いは2つです。
①既存の市場について把握すること
―競合他社が何に投資しているのか
―競争要因は何なのか
―顧客は何にメリットを感じているのか
②①で洗い出した他社の競争要因で自社を比較して異なる市場であることを確認する

アメリカのワイン業界例

アメリカのワイン業界内のブルーオーシャンを切り開いたイエローテイルというワインの戦略キャンバスです。

1990年代のアメリカでは、高級ワインからデイリーワイン(低品質低価格のワイン)まで同じ要因に力を注いでいました。
アメリアのワイン業界の主力企業は、対象者を高収入・高学歴の人として、最高級ワインに狙いを定めた成長戦略をとっていましたが、それ以外の一般人からしてみたら、「ワインは種類が多すぎる、味わいも複雑過ぎる」という気持ちから嫌煙されてワイン離れが起きていました。

そこでイエローテイルを開発したカセラ・ワインズは一般人に狙いを定めて新しい競争要因に力を注ぎます。これこそがブルーオーシャン戦略です。
最も人気のあった白のシャルドネと赤のシラーだけに種類をしぼることで、飲みやすさ選びやすさに注力する。
ワインの専門用語を使わずに、特徴的なカンガルーの絵柄(オーストラリアの原産ワインだから)とシンプルなラベル、色鮮やかな色調の箱を使うことで選ぶ楽しさや意外性を生み出しました。

こうしてイエローテイルは、既知のワイン市場(=レッドオーシャン)は高収入・高学歴のための高級品だったところから、新規市場(=ブルーオーシャン)としては一般人向けのカクテルの代替品として浸透させていきました。

ブルーオーシャン開拓で必要な4つのアクション

他社との差別化をするために必要なアクションは4つあります。

・取り除く:業界常識として製品やサービスに備わっている要素のうち、取り除くべき要素は何か
・減らす:業界標準と比べて思い切り減らすべき要素は何か
・増やす:業界標準と比べて大胆に増やすべき要素は何か
・創造する:境涯でこれまで提供されていない、今後想像すべき要素は何か

先程のイエローテイルを例にすると
・取り除く→広告や、ワインの専門用語を取り除きとっつきやすくした
・減らす→品種や味わいを減らしわかりやすくした
・増やす→低価格、選びやすさを全面に出してターゲット層を増やした
・創造する→パッケージを洗練して選ぶことの楽しさを創った
ということになります。

じゃあ具体的に自分で戦略キャンバスを使ってブルーオーシャン戦略を考えてみましょう!

戦略キャンバスの作り方

このブログで度々出てくるように私がキャンプ場経営をしていると仮定して考えてみます。

簡単にキャンプ場の設定をまとめるとこのようになります。
「都内から車で2時間半で行けて、~3人までの少人数限定キャンプ場。大浴場やグランピング、コテージ、各種レンタル品を兼ね備えた大人のための快適な隠れ家的キャンプ場」

キャンプ場の設定の細かい部分はこちらの記事を参照ください。

キャンプ場経営で考える4P(ヨンピー)分析!目的、やり方は?具体例と戦略の立て方【事例紹介】

Step1:表を作る

まずはフォーマット作りです。
エクセルでもパワーポイントでもなんでいもいいですが、私はパワーポイントで作りました。
横線を引いて、スコアの高低と、タイトルを記載します。

その時のコツとしては、パワーポイントの「表示」タブから、ルーラー・グリッド線・ガイドを有効にしましょう。線を描くので方眼紙形式にしたほうがズレがなくなります。

エクセルの場合でも基本は同じです。
戦略キャンバスは感覚で高低判断をするので、同じようにエクセルで作る場合は図形や直線を用いて折れ線を作ります。

エクセルの場合は折れ線機能があるので自動でチャートを作ってくれるのですが、折れ線は数値をもとに作成されます。
この折れ線機能を使って作るときは、高低のスコアを明確に付ける必要があります。
価格点は8/10点、広さ点は9/10点、キレイさ点は7/10点みたいな感じです。

しかしその点数は感覚でつけていることから、点数はいらなくない?となりかねません。そうなってしまったら点数のような数値がなければエクセルの折れ線機能では描けないので最初から、エクセルよりもパワーポイントで戦略キャンバスを作ることをオススメします。

Step2:他社との差別内容(競争要因)を羅列する

思いついた順で構わないので、自社の差別内容(競争要因)を表の下部分に等間隔で羅列しましょう。縦軸に当たる部分です。

自社の強みがこの段階で思いつかなければ一般的な要因で構いません。
例えばキャンプ場の場合
・価格
・広さ
・キレイさ
などどこでも比較できる項目から書いていけば大丈夫です。

そして自社(自分のキャンプ場)の強みを競争要因に読み替えます
強み:大浴場がついている→競争要因:衛生設備
強み:スマホから簡単に混雑状況がリアルタイム確認できて予約から精算まで全てできる→競争要因:予約の手軽さ
強み:一組あたりの利用人数制限があり静か→競争要因:利用人数、一人あたりのサイトの広さ

という具合です。

4つのアクションに当てはめると
・取り除く→対面による会計や予約を取り除き煩雑な作業を、顧客と従業員から取り除いた
・減らす→利用人数を減らして一人あたりののサイトの広さを増やした
・増やす→利用人数を減らして一人あたりののサイトの広さを増やした
・創造する→大浴場をつけて清潔なキャンプという価値を創造した

となりますね。

Step3:自社の状況をポイントする

一般的なものと比べて自社の競争要因のスコアが高いか、低いかをポイントします。
数値ではないので感覚で大丈夫です。

Step4:各点を直線でつなぐ

各点を直線でつなぐことでチャート化させます。

これで自社の記入は完了です。

Step5:比較対象を同様に書き込む

比較対象となる競合他社の記入をします。具体的な競合他社がない場合は一般的な値を書き込みます。

この時あまりに2つの折れ線がクネクネして見づらかったら競争要因の順番を入れ替えて、調整しましょう。
この競争要因の順番に決まりはないので見やすければなんでもいいです。

自社の折れ線がここで一般的な折れ線と比べて離れておりメリハリがある状態であることがベストです。

上の図を見てみると、私のキャンプ場と一般的なキャンプ場では「設備の多さ、キレイさ」を除くと折れ線がかなり離れています。
この折れ線が近づけば近づくほど同じ客層をターゲットにしてしまい、レッドオーシャンで戦い合うことになります。ブルーオーシャンで戦うためには既存の折れ線と離れておかなければなりません。

また、ワイン市場の例でも上げたように既存には競争要因とならなかった新しい項目を取り入れてみることも有効ですね。

まとめ

戦略キャンバスとは新しい市場(ブルーオーシャン)を見つけるために現状把握、他社との競争要因の比較・分析できるツールのこと。
新規事業や小規模事業の場合は既存のシェアを持っている一般企業と同じターゲットを狙うと成功することは難しい。

戦略キャンバスを使って、競合他社や一般的な指標とは違う競争要因や強みを持つことで有効な市場を見つけることができる。

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ブログ内の内容と基本は同じですが、経営戦略の考え方としてちゃんとした流れで記載しているので理解しやすいかと思います。

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